原野辰三の社会評論エッセイ
日は昇り、日は沈む
常識とは
最近あるマスコミが小学校4年生を対象に「地球のまわりを太陽が回っているのか、それとも地球が太陽のまわりを回っているのか」、どちらが正しいと思うかを調査した。
所謂、天動説・地動説のことである。調査の結果4割の生徒が天動説と答えたと報道して、学校教育批判をした。実際は小学校5年生から学習するそうで、そのことも話題になった。
わたしはその話題について興味が湧かない。だから言及するつもりはない。
わたしが興味をもったのは、天動説と答えた生徒たちのことである。わたしはその生徒たちに「正直でよろしい」と言ってやりたい。
そうでしょう。天を仰げば誰がみても地球のまわりを太陽が回っているように見える。洋の東西を問わず。「SUN RISE SUN SET」、太陽は東から昇り、西に沈むのです。
では、みなさんにお聞きしたい。あなたは何故、地動説が正しいと思うのですか?あなた自身が天文学的に観測し、科学的に解明したのですか?そうではないですね。
結局、「学校でそう習ったから」でしょう。そのうえ「そんなことは常識だ」とも言うでしょう。
しかし、約400年前までは天動説が「常識」だった。最初に地動説と考えたのはコペルニクス、その後、ガリレオやケプラーがその説を唱えた。
ところが、ガリレオもケプラーもローマ教会から「人心を惑わし、社会を混乱させた」として迫害を受けた。
もうひとつ、みなさんは学校で次のように習いませんでしたか?所謂、「水金地火木土天海冥」。よくテストに出ましたね。これも長年の常識だったのです。ところが米国の宇宙探査衛星ボイジャーが、これは間違いであることを発見したのです。みなさんもご承知のとおりです。海王星と冥王星は周期的に入れ替わるのです。
このような例は歴史上枚挙にいとまがありません。
真実を唱えた故に社会から迫害をうけたり、また処刑されたりした科学者や先哲は数限りなくいたのです。
加えていえば冤罪で無念の死を遂げた人も多いでしょう。またハンセン病で医学的根拠なく、ゆえなく差別を受け、生涯を過ごした人も多い。
私はそのことに思いを強く持ち、人生観、世界観を考える糧にしたいと思っています。
すなわち、「常識」だけで考えてはいけない、と思うのです。「常識」について国語辞典では「健全な一般人が共通にもっている、または持つべき、普通の知識や思慮分別」と説明しています。
しかし、わたしはこう思うのです。
「常識は永久不変の真理ではない。また常識でものを考えるのは科学的ではない。」
常識とは「いまでは一応正しい」とされているが、絶対に正しいという固定観念にとらわれてはいけない。常識を疑ってみることも必要である。常識に異論を唱える者に対してはその意見に耳を傾け、真摯に受け止め、意見は尊重するべき」。
日本人はどちらかと言えば、「みんながそう言っているから」、「学校でならったから」、「マスコミがそう言っているから」。「だから正しい」と言う人が圧倒的に多い。







