原野辰三の社会評論エッセイ
祇園精舎の鐘の声
司法判断
ライブドアは直ちに、それを差し止めさせるために仮処分の申し立てを裁判所に提出したが判決が見ものだ。
冒頭にいったように、仮に新株予約権発行を裁判所が認めたとしたら、日本の株式市場は世界から信用をなくすこと必至。
多分、裁判所は判例をつくらず、和解に持っていく公算は大と思う。
判決をだせば、それが判例となり、判例は自今、法になるから。
すなわち裁判所は毅然たる判決をだす勇気を持ち合わせていないのだ。
青色発光LEDの発明者の日亜化学工業の中村修二氏(現・カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授)が
日本の司法は腐っている
と記者会見で言ったとおり。
法務省、裁判所の判断(判決)はわれわれ国民感情からいって、国民側を向いているとは到底思えない。
もっともけしからんのは、最高裁判所が憲法判断をいつも避けていることだ。最高にして最大の任務を果たさず、無責任にも放棄しているのである。
三権分立とは名ばかりで、政治権力に弱腰なのが日本の司法である。(司法の堕落は、かっての青法協弾圧以降からはじまった。この件はずれ機会があれば書きたいと思っている)
いずれにしても、“毒”を無害というのか、解毒するのか、中和するのか、裁判の結果が見ものだ。
そこで、新株予約権発行が認められたら、ニッポン放送の企業価値はどうなるかを、数値で考えてみたい。
企業分析を行う場合、分析の目的、用途によって、いろいろな切り口がある。この場合、投資側、既に株を持っている側から分析すると、PER(株価収益率),ROE(総資本利益率),ROA(株主資本利益率),PBR(純資産倍率),株主資本比率等が主な指標になる。
特に収益性を重視するなら、PER,ROE,ROAが主たる指標である。 個別に説明することは割愛するが、結論をいうと、既存の株主は圧倒的に不利益を被る。
すなわち、100円のものが43円に価値が下がってしまう。 実際の計数で説明すると、ニッポン放送の発行済み株数は3280万株、当期利益が3457百万円、一株あたりの利益は105.4円となる。(前期連結決算)
ところが、新株予約権を発行して、全部引受けられると、株式発行総数は8000万株になる。すると一株あたりの利益は432円に減ってしまうのだ。これでは、株主はたまったものではない。これで怒らない株主がいるはずがない。
こんなことがまかり通るならば、うかうか株主になれない。フジサンケイグループはこういうことをやったのだ。
本来、増資は目的が明確にあるものだ。経営計画、事業計画が作られ、そのために資金調達が必要になり、増資を決定する。
このたびのニッポン放送の場合、事業計画など一切なく、ただライブドアの支配を免れるための対抗策でしかない。







