RSS

時事コラムを中心に、社会評論エッセイや名言・格言・諺の解説を掲載

こんにちは、ゲストさん - ユーザ登録 - ログイン

原野辰三の社会評論エッセイ

2005年02月15日
著者 原野辰三

企業の価値

マスコミは連日のようにライブドアのニッポン放送株買収問題を取り上げている。

コメンテータや街の声は賛否両論ある。 まず、わたしの意見をはっきりさせておきたい。

もし、ニッポン放送㈱の新株予約権の発行を裁判所が認めたら、わが国の証券市場は、国内はもとより、海外の投資家からも信用を失うだろう。だからフジテレビおよびニッポン放送は支持できない。

ライブドア、フジテレビ双方が企業価値を上げるのは、「こっちだ」、と互いに譲り合わない。

わたしは、長年、財務を仕事としてやってきた。そして、株式公開業務やm&aを多く手掛けてきた。 その立場から、企業価値について私なりの意見を述べたい。

企業価値を判定する場合、企業分析をするが、財務諸表の数値分析が基本になる。しかし数値だけで判断することはできない。

企業は人・もの・金の経営資源が有機的に結合した組織体。そのうち数値で評価できない経営資源は“人”の評価と“ノウハウ”の評価である。この二つは財務諸表分析のように客観的に数値に表れないので評価し難い。数値は客観的だが、“人“の評価は主観的。

フジテレビの日枝会長は「うちは50年の歴史がある」ことを強調している。

確かに企業評価する場合、その企業の歴史(沿革)、社風についても重要な要素。ただし、日枝会長が強調しているのは50年という年月の長さで、その間の歴史(沿革の中身)は別のこと。。

そのことについて、少し触れておきたい。 歴史をみるとき重要なのは、年月の長短ではない。重要なのはその中身。

フジサンケイグループは元々、鹿内家の家業であった。鹿内独裁経営のなかで、従業員に不満が充満して、労働組合が結成された。そして鹿内家と対立構図のなかで、鹿内家の支配力を排斥するために株式上場をしたのだ。

すなわち鹿内家の株式持分比率を縮小することに成功したのである。株式上場を果たし、いまの経営陣は、鹿内一族の支配力を排除できて、安心したのだろう。

安心が油断になったのか、その後は、資本市場における企業防衛策をおろそかにしてしまったのである。その虚をつかれたのが、今回のライブドア問題。

株式を公開して、株式市場に上場するとは、どういうことなのか、という上場企業の経営者にとって基本的な認識が足りなかった。

この度のライブドア問題を見ていると、そういわれても仕方が無い失態である。

日枝会長が50年の歴史を強調する言葉の裏側で、「お前らのような歴史の無い、新米ごときに」とライブドアを貶しているように聞こえる。

ではフジサンケイは50年間、何をしていたのか? 過去の成功体験に埋没し、既得権益に安住し、変化めまぐるしい社会に即応するリスクマネジメントをおろそかにし、ましてやグローバル化する株式市場に対応できる体制が整っていたのか疑問である。

そんな経営者を擁する企業の価値こそ低いといわざるを得ない。

どんな企業にも、そして世の中では、どんなところにも、ミスや事故は、つきもの。

問題は、それが起きた場合に、その“後処理”をどうするのか、それがもっとも大事で、経営者はその能力を問われるのだ。

日本の場合、何かが発覚してはじめて、経営陣は、がん首をそろえて、「深くお詫び申し上げます」と深々と頭を下げる。

テレビで年中「米つきバッタ」を見せられては「ああ、またか」で、いまさら驚きもしない。

「陳謝申し上げます、二度とこのようなことが起きないように万全の改善策を講じます」と、お決まり文句を並べ立てる。

しかし、それとは裏腹に、その後処理は、「ごまかし、いいわけ、いなおり、とかげのしっぽ切り」など、とにかく、うやむやにして、幕を引いてしまう。

誤魔化しやお化粧をして一時的にしのげても、結局は自分の身に跳ね返ってくるのに、性懲りも無く、相変わらずその体質はかわらない。

三菱自工、三菱地所もその事例で、雪印乳業は廃業に追い込まれた。最近の西武グループは長年の誤魔化しが表面にでたもので、組織が内包している隠蔽体質が露呈してしまったものだ。

今回のライブドアによる買収に対して、ニッポン放送、フジテレビのとった“後処理”は誤魔化しどころか、なんと、毒をもったのである。いわゆる新株予約権4720万株を発行して発行総数8000万株にするというのである。


PR
社会評論エッセイ メニュー
モバイルサイト
モバイル版原野辰三の斬り捨て御免へアクセス!! ケータイでQRコードを読み取りアクセスしてください。
参加ランキング
にほんブログ村 小説ブログ コラムへ
にほんブログ村 シニア日記ブログ 70歳以上へ
にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
にほんブログ村 シニア日記ブログへ
人気BlogRanking

Copyright (C) 2008 . All Rights Reserved.