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時事コラムを中心に、社会評論エッセイや名言・格言・諺の解説を掲載

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投稿者: 原野辰三 投稿日時: 2008年3月31日(月曜日) 07時04分31秒

最近、日本の子ども(小中高生)の学力が落ちてきたという。

国際学力調査結果(2000年 2003年 2006年比較)によると日本は、

読   解   力 8位→14位→15位
科学的リテラシー 2位→6位
数学的リテラシー 1位→6位→10位

※リテラシー=活用力・応用力

ここに注目すべき記事(小池晃:日本共産党参議院議員のHP)がある。小池氏のこの記事は教育基本法改定に反対しての記事だったが、残念ながら改定されてしまった。したがって、ここでいう「教育基本法」は現在の教育基本法のことではなく、「旧の教育基本法」のことです。

「日本を手本し、フィンランドは学力世界一に」の記事を転載した。

世界には、日本の教育基本法をモデルに教育改革をして成功した国もあります。北欧のフィンランドです。
フィンランドは、いまでは「学力世界一」で知られています。1クラス20人前後の少人数学級、競争や順位づけとは無縁の教育の結果です。フィンランドも、以前は幼いうちから子どもをコース別に振り分ける複線型の教育をおこなっていました。
しかし、日本の教育基本法に示されている教育の機会均等の理念をモデルにして、6・3制の総合教育を導入。
その結果、学力の格差を小さくするだけでなく、世界の学力調査で、トップになりました。
これは、フィンランドの教育担当大臣の顧問を務めた早稲田大学名誉教授、中嶋博さん『フィンランド教育の多様な側面 〜シンポジウム報告〜』ならびに 『OECD/PISA,教育大国フィンランドと日本の課題』をご参照下さい)
がおっしゃっていることですから、間違いありません。
外国がお手本にして、教育改革に成功している一方、日本はこの大事な教育基本法をないがしろにした教育で、学校の現場を荒廃させています。いま大事なのは、教育基本法を生かした教育改革をおこなうこと。あべこべにそれを投げ捨てるなど、とんでもありません。

併せて「フィンランドの教育と教育基本法」(宮田汎さん講演より)をご覧ください。

ところで、「本当の学力とは」何なんだろう?私は常に考えてきたことだ。

そこで私は「知識」と「知恵」について“定義”を試みたので、まずそれを紹介したい。

1.「知識」とは、情報を収集し、収集した情報を記憶に定着させ、記憶された情報のこと。(knowledgeまたはinformation)

※情報=音声・文字・画像等で伝聞されたり、教えられたり、或いは学んだり、また自ら体験したり発見したりした事柄。

2.「知恵」とは、知識を動員して物事や問題を正しく理解したり考えたり適切に処理したり解決する能力。

では、日本の学校(小中高)の学力テストや入試(大学入試・共通一次を含む)の成績が、果たして本当の学力を表しているのだろうか、という疑問である。

私の答えは「ノー」である。つまりテストは「知識のテスト」であって、「知識=学力」ではないと私は考える。

知識の有無や量は記憶力に依存し、受験競争は知識の詰め込み競争である。

いわば、クイズコンテストのようなものだ。

確かに学力の基礎をなすのは知識ではある。しかし、知識の量を測ることが学力であるとは言えない。

建築工事に譬えるならば、知識はその基礎に当たる。その基礎から組み上げ組み立てた部分が学力である。当然建築は基礎が不充分であれば建物を立てることは難しい。

問題は、どれだけのどんな建物を構築できるかである。

神社仏閣の日本建築にしろ、近代建築の高層ビルでも、耐震性や耐久性などについては「多くの知識を動員して、その上で知恵を働かせて」初めて立派な建物ができたのだ。

また、将棋に譬えると、知識はそれぞれの駒の機能(駒を動かすことができる約束事 飛車は縦横無尽、角は斜め無尽に動くことができる)を知ることである。知恵はその駒を使って実戦することである。その知恵の力が棋力である。

加えて言えば、英語力は単語力(知識)と文法力(組み合わせ=知恵)の総合力で、どちらが欠けても読解力も作文力もなくなる。

つまり、「本当の学力」とは、知識と知恵の総合力である。

そういう意味で、今の我国における学力テストは「本当の学力」を反映したものとは言い難い。

このことは、初等・中等、高等と上等級になるにつれて、益々顕著になっている。いわゆる最近は大学生ないし大学卒業者の学力が国際的にみて余りにも低いという事実だ。

私はかつて企業の採用試験のあり方について、提言したことがある。

つまり、ペーパーテストの問題は殆どが「知識」いわゆるクイズコンテスト式になっている。これで本当の学力が判定できるのか、という疑問を投げかけたことがある。そして私は次の提言をした。

受験者ないし応募者に白紙(B4程度)のペーパーをくばり、「・・・について」というテーマを与え、どれだけのことが書けるかをテストする。

そのテーマはなんでもよい。その企業や職種に無関係であってもいい。むしろ無関係のほうがいいだろう。なぜなら彼等はある程度そのあたりの知識情報を予め収集してきているだろうから。

私は事実、大学生たちに試みたことがある。

その時のテーマはその場の思いつきで「ボールペンについて」だった。

結果は惨憺たるものだった。B4用紙に2、3行で終わってしまっており、多くても10行ぐらいだった。

彼等は今まで果たして何を学んできたのか、愕然とした。結局はテスト対策用の知識詰め込みに頑張ってきただけなのだ。

また、このような問題に全くであったことがなく、一度も経験していなかったのである。

私自身、テストの点数は氷山の一角だ(注)と思っている。水面下の大きな部分はテストでは測れない。

学習するということはテストのためではない。知りたいから、学びたいから、興味があるからするもので、テストのためにしたから(いわゆる点取り虫)先のような惨憺たる結果になるのだ。

学習とは、「・・・のためにする」ものではなく,「・・・たいからする」ものである。

進学も同じことが言える。大学であれ高校であれ、「学びたいからする」もので、「進学のために進学する」手段と目的がさかさまになっているから、本当の学力が身に付かないのだ。

かなり厳しい言い方をしたが、次はもっと酷いニュースだ。

2/3+3/4=5/7と答えた東大生がいたというのだ。

このことは我国の教育の実態を如実に表した象徴的な事例である。

以上は学校教育の問題であるが、私が最も強調したいことは、大人の学力である。

大人は社会経験を積み、それなりの知識情報は量的には多く得たであろうから、それなりに理屈もいい、話もして、それなりに活動しているだろう。

しかし、社会に出てからは殆ど(専門的なことは別にして)は学習しない(つまり読書しない)のが一般的だ。加えて肝腎の学校時代の教育が知識偏重テストで育ってきているから、物事や問題の正しい理解力・思考力・応用力・処理解決力が乏しい大人が余りにも多い。

いわゆる「知恵」が貧弱で怪しい大人が多いのだ。

これまで、主として学校教育の問題として「知識」「知恵」「学力」について述べてきたが、最後に「知恵」について別の角度から以下を紹介しておきたい。

知恵

普通に日常用語として用いられる場合、人生の意義・目的ならびに物事の道理をよくわきまえ事態を正しく認知して物事を適切に処理する能力をいう。
従って、世間智・人生智・処世智、と同じ意味に用いられる。それは、道徳的・総合的・直観的な実践智である。
このような智は、人間が所有したいと思い願うような智であるが、実際には容易には得られぬ。
道徳的であるような振りをして実はお為ごかしであり偽善であるというのは大部分の場合である。
綜合的あろうとして実は自己中心の片手落ちになり、直観的のつもりが行き当たりばったりのゴマカシになる。
結局のところ、この世の権勢・栄誉・富を得ようとする利己心に奉仕する智に堕落するのであって、これは「利巧」とよばれる。
求められるべき理想としての「知恵」は、仏教でいう「般若」、プラトンの「ソピア」、キリスト教の「サピエンティア」は、理想としての「知恵」を意味する。     現代哲学事典(講談社現代新書)より

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  1. 機会均等の原則
    たしかに、階級制度の時代の身分差別も、現代の性差別も、人種差別も、差別はまったく

    Trackback by 哲学はなぜ間違うのか? — 2008年3月31日(月曜日) @ 21時22分20秒

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